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東京ドーム×MonstarX×国際チーム——山陰ハッカソン「Hack Yakumo」最終まとめと受賞プロジェクト

東京ドーム×MonstarX×国際チーム——山陰ハッカソン「Hack Yakumo」最終まとめと受賞プロジェクト


出雲・松江・米子の3都市を舞台に10日間にわたり、東欧、インド、カザフスタン、ブラジル、ミャンマーから集まった16名のITエンジニアが一堂に会し、地域と世界のエンジニア人材をつなぐ初の国際ハッカソン「第1回山陰広域国際ハッカソン - Hack Yakumo」を開催しました。

Hack Yakumoは、日本企業と多国籍チームが直接協働し、実践を通じてノウハウを共有し、互いのワークカルチャーを理解しながら、実際のビジネスや社会課題に向き合うプロトタイプを開発するための“手を動かす”場として企画されました。

今回の参加者の中には、People Cloudが運営する6カ月間の日本語・日本のビジネス文化プログラム「Hello, Yaponiya」を修了した東欧出身のエンジニアも含まれていました。彼らは日本でのキャリア形成の可能性を探るため、そして日本のエンジニアチームと協働することを肌で感じるために出雲を訪れました。

ハッカソン期間中、エンジニアたちは島根・鳥取の地元エンジニアなどとチームを組み、5つの多文化チームを構成、共にプロトタイプの設計・開発に取り組みました。

各チームは、モンスターラボ社が開発・提供するマルチAIエージェント型PoC開発プラットフォームMonstarXの支援を受け、東京ドームシティから提示されたチャレンジテーマに基づき、5つの動作するMVP(最小実用プロダクト)を完成させました。株式会社テクノプロジェクト東亜ソフトウェア株式会社、といった地元IT企業や、県外のパートナー企業であるヒューマンリソシア株式会社も、自社の若手エンジニアを派遣し、混成チームでのクロスカルチャーな協働を実践。グローバルエンジニアリングのスキル強化につなげました。これらの企業にとってHack Yakumoは、国際人材と地域人材が協働して実効的なソリューションを生み出せることを示す、実践的な検証の場となりました。

■ デモデイの結果と受賞チーム

2025年11月14日に米子で開催されたデモデイでは、5つのチームが完成したアプリケーションを約50名の来場者の前で発表しました。東京ドーム社から提示された「”聖地巡礼”観光におけるユーザー/コミュニティ課題の解決」や「東京ドームシティにおける継続的なデジタル体験の設計」などのチャレンジテーマに取り組む中で、特に実装力と実現可能性に優れたプロトタイプを仕上げた2チームが選出されました。

これらのプロジェクトが「Hack Yakumo 2025」の最優秀プロジェクトとして表彰されました。

🏆 最優秀賞:聖地巡礼の再設計「Seichi Constellation」

テーマ: 聖地巡礼におけるユーザーと地域の課題を解決するプロダクト開発

・概要: 訪問予定地からオリジナルの聖地巡礼マップを作成。RPG要素を組み合わせながら各スポットをめぐる自分だけの「旅行物語」を作成できます。

・技術スタック: MonstarX, React, TypeScript, Next.js, MongoDB

🏆 優秀賞:Tokyo Dome Cityを舞台にした体験アプリ「TDC Play」

・テーマ: 東京ドームシティ来訪目的の「点」化→「線」化を促すデジタル体験設計

・概要: QRコードスキャンやポイントシステムを活用し、訪問者が探索・報酬獲得を

楽しめるゲーミフィケーションアプリ

・技術スタック: MonstarX, React, Node.js, PostgreSQL, Render

ハッカソン参加チームへのコメント

「UI や体験設計といった点が非常に丁寧に考え抜かれていると強く感じました。最優秀賞・優秀賞という結果は出ましたが、いずれのプロダクトもお客様に実際に触れていただきたいと思えるほどの完成度でした。改めて、皆さんのレベルの高さとクオリティに深く感動いたしました。

この 2 週間、本当に多くの困難やプレッシャーがあったことと思いますが、その中でこれほど素晴らしい成果を見せていただき、心より感謝申し上げます。参加された皆さま、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。」

「海外から参加したエンジニアの皆さん、本当にお疲れさまでした。知らない国・初めての環境で、異なる国籍の仲間とゼロからチームを組み、短期間でここまでのプロダクトを完成させたことに深く感動しました。

今回初めて使用した MonstarX は、リリース直後でこれからさらに進化していくプラットフォームではありますが、それでも各チームが創意工夫し、質の高い成果を出してくれました。

Hack Yakumo は、国籍や文化の違いを超えて共に価値を生み出す場へと着実に進化しています。ひとつの地域に多様な人材が集い、新しいものを生み出すこの取り組みは、日本にとっても大きな意味を持つと感じています。

参加してくれた皆さんには、ぜひまた日本、そして山陰に戻ってきてほしいと思っています。

そのための受け皿づくりも、私たち企業側の責務だと考えています。今回の経験を次につなげ、さらに良い場を共につくっていきましょう。」

■ プログラムが生み出した新しい価値

イベント後に生まれた関心は、Hack Yakumoが掲げるより大きな使命を反映しています。Hack Yakumoは「アイデアから実装へ」をつなぐ継続的な道筋として設計されており、の継続開催を通じて、グローバル人材と地域のエンジニアが共に学び、創り、働くためのエコシステムを構築することを目指しています。ハッカソンからMVPへ、MVPからPoCへ、そして最終的にはエンジニア採用やプロダクトの実運用へと進む流れを実現する取り組みです。

Hack Yakumoの中では、すでにこのビジョンが形になり始めていることを示す具体的な成果が見られました。

1. 海外から来日したエンジニアは、自治体、所属企業、地域の企業、スポンサー企業に対して、自らのスキルや経験を直接アピールすることができました。これにより、国際人材の採用に対するハードルが下がり、実際の採用につながる有意義なマッチングの場が生まれました。

2. 一方、日本のエンジニアにとっては、国際協働という今後ますます重要となるスキルを実践的に体験する貴重な機会となり、今後のキャリアの可能性が広がるとともに、多文化環境で働く力が強化されました。



当初懸念されていた言語の違いについても、円滑なコミュニケーションが実現し、成果物の品質に影響を与えることはありませんでした。People Cloudは今後も、よりスムーズな協働を実現するために、コミュニケーション環境の改善に取り組んでまいります。

「People Cloudは「“共に働く” を通して、多文化共生社会を実現する」ことをMissionに掲げています。
今回のHack Yakumoは、その理念をまさに形にした取り組みでした。単なるハッカソンではなく、地域とグローバル人材が実践を通じてつながり、新しい協働のあり方を試す挑戦の場になったと感じています。

今後も継続的にHack Yakumoを開催していくことで、山陰地域において外国人と日本人が自然に協働できる環境と雰囲気を育てていきたいと考えています。 そして、このポジティブな流れが、全国各地へと広がり、日本のさまざまな地域で同じような共創が実践されることを心から願っています。」

もしご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。貴社の採用課題を解決するお手伝いができることを楽しみにしております!

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この取り組みに共感いただき、グローバルエンジニアとの協働や今後のHack Yakumoへの参加についてご興味がございましたら、ぜひ私たちにお声がけください。

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